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現実と仮想の往来
原田郁インタヴュー: 本展作品について語る


当ギャラリーでは約2年ぶりの展覧会となる原田郁さんですが、前回にはなかった新たな試みが多く見られる展覧会となっています。今回の展覧会における変化についてお話をお聞きしました。

ギャラリースタッフ (以下G):
  今回の展示では立体があったり、絵画自体が立体化していたりと
  現実空間に対する意識が変化したような印象を受けますが、前回からどのように進んでいっているのでしょうか?


原田郁 (以下H):
制作過程の大本はこれまで通り変わらず、コンピューター内にある仮想空間「インナースペース」のエリアを広げつつ、それと並行して平面作品の制作をしてきました。
その流れのなかで昨年の2014年、大阪を拠点に活動をされているgrafさんとのコラボレーション企画があり「HOUSE-WHITE CUBE」作品を元にした立体作品が生まれたんです。二次元空間からそのまま、ぽこっと三次元の現実空間に出現した様は私自身とても興奮しました。
それをきっかけに、立体作品に表われる陰影や質感というものに対して面白さを感じるようになりました。さらに実際に立体作品が置かれたギャラリー空間自体への興味、関心も高くなってきて。ですから前回までは外の景色を多く描いていましたが、今回は自然と室内の景色を中心に展開することになったんです。
また、これまでの平面作品と立体作品の仲を繋ぐように「Panoramic Windows」という作品シリーズも新たに生まれました。

G:これまでは原田さんの絵を見ると仮想現実の方に現実がシフトしているように見えましたが、今回は仮想現実が実際の世界にシフトしてきているようですね。

H:
そのように感じて観て下さるのは嬉しいです。
自分自身が あちら側とこちら側をより自由に行き来できるようになってきた、ということなんでしょうね。
2009年からつくり始めてきて、わたしも今回の展示で双方に世界が展開し合ってきているのをやっと確認できたように思います。


G:新作のブロックの作品は仮想現実の一部を抜き取ってこの場においたように見えますが、この作品では何を模索しているのですか?

H:
はい。grafさんとの立体作品が生まれたその後、また違った形でインナースペース内の建築物をより現実に、より日常に引き出すことができないだろうか?と手探りしていました。それで今回は実際に建材として使われている「煉瓦」に注目し、普段制作で使用しているアクリル絵の具で直接のアプローチを試みたんです。この新作は絵画作品であり立体作品でもあると思っています。キャンバスに描き白い壁にインスタレーションするのとはまた違って、今後面白い見せ方や動きを生み出していける、そんな予感がしています。煉瓦の重量感含め、素材感の強さにも魅力を感じています。

G:なるほど。絵画作品と立体作品の間という作品はこれまでもいろいろな作家が挑戦してきましたが、絵画作品でもあり、立体作品でもあるという両立の作品はあまりないですね。
この後の展開が非常に楽しみです。

G:最後にこれからの抱負を教えてください。

H:
繰り返しになりますが、今回の展示で平面作品以外への興味も確実に広がってきました。今後、面白い展開ができるのでは?とわくわくしています。また最近は、自分自身の日常生活そのものにも関心を持っていて、今回作品内にソファが登場したのもその表れです。
こんな風に環境の変化に合わせながら、自然な流れで仮想と現実」この相互の関係を引き続き高めていけたらな、と思っています。

G:ありがとうございました。今後も原田郁さんの活動に注目です。

 
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